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シナリオ閲覧室

数式開発室が理系なら文系の部屋も作ってみました。
自由な発想で書くので小説のような堅苦しい内容ではなく誰が読んでも分かりやすく、世界中の方が読まれるので略語を一切使いません。
物語が進展しない場合は下書きに戻すことがありますのでご了承ください。

デイジーが子供の頃に遡る。親に叱られることなく甘やかされて育ってきたため無断で外に出かけて夕方まで帰ってこない毎日を過ごしていた。それで肌は小麦色に焼け、走り回るのが大好きなので代謝がよく、屋内にいてもじっとしていられず食欲も旺盛だった。そんなある日、道端に枕くらいある大きな亀がデイジーの前を横切って、目の前の池に向かうところに珍しい大きさに興味を持ったデイジーが走ってきて、亀は驚き急いで池に逃げ込もうとしたが体が重く、捕まってしまった。必死に抵抗するが、背中に乗られて負んぶした状態になり池のすぐ手前で力尽きた。動けなくなったことをいいことに今度は疲れたと言って枕代わりに頭を乗せ昼寝して過ごした。デイジーが眠ったことを見計らって亀は起こさないようにゆっくり進んで頭をどかし、池の中へ入っていった。
自分の住処に戻った亀は酷いことをされたと仲間に周知すると、自分もされたことがあるという個体が複数いたようだ。亀なので意思の疎通はどのようにしているのか不明だが憎悪を抱いているのは明らかだった。背中に乗られた亀は、いきなり走ってきたので顔などの特徴をつかむことができず被害を受けた亀たちに情報収集して回ったところ、その中の1匹から有力な情報をもらった。デイジーは汗をかきやすいので匂いの特徴をつかむと特定できるらしく特に夕方は動き回った分、汗が染み込んで分かりやすいので、その時間帯になったら外に出て待機するように促された。
夕方近く経った頃、デイジーは目が覚め枕にしていた亀がいなくなったことに気付き、池の中を覗くが濁っていて分からなかったので諦めて他の場所へ移動した。そこで水中に待機していた先ほど被害を受けた亀がゆっくりと顔を出し、辺りを警戒しながらデイジーに気付かれにくい池の真ん中の自分の甲羅と同じ色をした岩の上に登って待機した。
デイジーは裕福な家庭で育った生まれながらのお嬢様なので遊ぶことだけでなく、一般の家庭でもらうお小遣いとは比べ物にならないくらい多いので、たまに夕方過ぎても帰ってくることなく飲食やファッション等にお金を使い贅沢三昧することがあり運悪くその日の計画は失敗に終わり、亀はその場にただじっと甲羅干しをしていただけになってしまった。
デイジーは必ずしも池の前の道を通るとは限らず、亀は近づいてくる人の匂いのみで感知して状況を判断するしかなくて、他に通る人もいるので外見と匂いを一致させないと難しいようだった。水中に戻って早速次の作戦会議を開くことにした。
それは気の遠くなる作業で何十日かかけて夕方デイジーが通った足裏から染み込んだ靴底に残されたかすかなニオイを少しずつ辿って家を突き止めたら、わざわざ亀の方からデイジーが住んでいる玄関の入り口まで行き、わざと仰向けにひっくり返り、じたばたして注意を引き付けながら顔の特徴、髪型、容姿、声を読み取って仲間に周知するというやり方だが成功するという保証はなくても、どんな匂いなのかは先ほどの1匹の仲間からの情報提供によって明らかにされている。
デイジーは動きが素早いうえに注意力散漫なので亀に気付かずに踏まれるか素通りされる可能性があり、家を出る時間も決まっていなかった。この作戦は大きくて気付かれやすい枕にされた亀が仰向けになるのではなく、同行する別の小さい亀が囮になるというものである。
ある日の朝、デイジーが池の周りにある道を通るのを確認すると、亀はその後を追ってゆっくり進んでいった。追う目的はデイジーが夕方帰ってくるまで、どんなことをしているのか偵察するためだが亀にとっては険しい道のりで、行方を見失うことも多いので諦めて、来た道を戻ることになるが往復分の道が長いほど亀の体力が削られるのは必然的なので、おとなしく行方を追うことをやめて、どこを通るか分からないが帰り道に隠れて待ち伏せすることにした。
各自配置についた亀たちは夕方過ぎても帰って来なければ辛抱強く待って、デイジーが通ったのを確認したら仲間に周知して帰り道を少しずつ辿っていく作戦を実行しようとしているところである。ただ、後から気付くと運が悪ければ雨が続いた日はニオイが消えてしまうので空模様も確認して、なるべく日数がかからないうちに家を特定する必要があった。
夕方になる前、動き回って疲れたせいなのか、いつもより早くデイジーが帰ってきた。この日は快晴で、数分日光にさらされるだけで日焼けするくらい気温が高く、夕食のために買い溜めした材料がたくさん入った袋を持って重たそうな様子でゆっくり歩いていた。これはチャンスだと思い、その後をつけていく。袋の中身は、ほぼ毎日朝晩食べる納豆と大好きな牛肉や鶏肉で他にもドライアイスで保管されたたくさんのアイスとケーキを作る材料とお菓子が詰め込まれていて暑くても冷気のおかげで快適そうに鼻唄を歌いながら料理を作るのを楽しみにしている。食材について解説していくと、納豆は母親の影響から美容と健康の秘訣として勧められていたので幼い頃から既に食べる習慣を身に着けていて肉類は幼馴染の友人や親戚の家に上がり込んでご馳走してもらったのがきっかけで、その他はプライベートや趣味として自分だけではなく他人にも教えたり分け与えたりして交友関係を築くことが何よりの喜びのようだ。
たくさん詰め込まれた料理の材料の匂いに亀たちも食欲をそそり、デイジー目当てではなくなり、つい夢中になって警戒心が薄れ、すぐ背後まで忍び寄ってきていた。まだ体力が不十分である小さい亀は楽に運んでもらうために、どこか侵入できるところがないか調べたが靴の上に乗るには気付かれやすく不安定で弾き飛ばされる、ポケットに入るには高すぎる、袋に入るには冷たすぎるの問題があって仕方なく必死でついていくことにした。ドライアイスを入れているくらいなので遠い店で買い物をしたのか、家が遠いところにあるのかは本人しか分からないことで、振り回され枕にされた亀はこれから次第にデイジーを執念深く思い続けることにより死んだ人間の怨霊が憑りつき、気付かれない程度に少しずつ龍になるように神格化していく。ゆっくりと歯が生え始め脚の筋肉も発達し、さらに少しずつ大きくなってくるが、いきなり今のクッパの姿になる訳ではなくヨッシーアイランドに出てくるベビークッパが最初の形体である。見た目が歴然と変わるまでは数年かかるので、その間に人間の能力も手伝って知能が加わり二足歩行ができるようになるが言葉は分かっても相変わらず発せなく、代わりに猛獣のような雄叫びを上げるようになる。怨霊というのは数年前に街中を歩いているところに数人の若い女から顔が汚く、いかにも鈍そうな中年太りしているのを理由にからかわれ、さらに働いている職場の収入が少なく、辞めて転々と職探しをするも見つからず救いようのない己の醜さと能力の劣悪さに絶望し自殺した男である。このまま成仏できずこの世をさまよい続け、最も自分と同じ度合いの憎しみを持った生物を探し、行きついた先があの亀である。若い女とは不特定多数なので、どんな顔や特徴だったかは覚えていないが、このことがきっかけで興味のある女を見つけると誰であろうとご飯のおかずの代わり、または性的暴行を加えようという固着した思考を持つようになる。
他の小さい亀たちは我先にと後を追うが、復讐心を燃やしている大きな亀は遅れながらも体力を多く残すことが出来、今まで不可能に思えた長い道のりも1匹で集団との距離が遠くなるくらい引き離した。このまま待っている訳にはいかず、デイジーの家を特定するため休まずに歩き続ける。近くに水場があるのを願って辺りを見回すと前方には標高2000m級の山々がそびえ立ち、右側は平原地帯で遥か遠くに町が見え、左側は用水路があったが連日の日照りの影響で水量がとても少なくて住めそうになかった。仕方なく前方に向かって歩き続けると山の麓に大きな家があるのを発見したがデイジーが家に入るまで、はっきり特定できないため足を休めて遠くで待機した。しばらくして遅れてきた亀たちが追いついた頃には陽が間もなく沈もうとしていた。日照りはようやく緩和されたが休まず歩き続けたせいで喉が渇き、水場を必死に探そうとする。そこで大きな亀は歩いてきた途中に用水路があったことを教え、後方へ戻らせて既に監視を続けたデイジーの行方を特定できていたが、どうしてもいてもたってもいられず自分勝手に大きな家に向かって歩いて行ってしまい後悔することになる。作戦を立てておきながら目的の家を周知するのを忘れ、自分も同様に仲間を振り回し、信頼関係を損なってしまうことを頭に入れていなく結局1匹での実行となった。用水路に辿り着いた亀たちはすぐ水浴びのついでに飲み水としてお腹を満たした。その後、食料を求めて一旦用水路から出て、待ちくたびれているであろう大きな亀がいるところへまた歩き始める。一方、デイジーの住む家に向かって行った亀は食料を横取りしようと玄関の入り口まで来ていた。そこでようやく我に返った時、既に仲間は1匹もいなかった。人間の知能を与えられたとはいっても元々そんな賢くなかった人で、中年にして仕事がろくにできず家の中はアダルトビデオや壁には女性の水着姿の写真がたくさん貼ってあり、劣悪な能力を忘れるかのように毎日自慰していた。胸や太ももに顔をうずめたり、立てている膝の冷たい感触を味わいながら頬擦りするのを空想するのが好きで、休日に女子が集まってスポーツを行っている体育館や運動施設に入って手当たり次第に靴箱に置いてある靴のニオイを嗅いでいて見つかってしまい、逮捕された経歴も持つ。窃盗までには至らなかったため不起訴となり釈放されたが、数多くの若い女から非難されるようになったのは、そのためだろう。悪事は恐ろしいくらいに噂が広まり、会社の同僚にまで知られるようになり敬遠され職場に居づらくなって自ら辞職した。なぜ報道されていないのに噂が広まったのかというと、靴のニオイを嗅いだ男の母親が偶然現場に居合わせていて、愚かさに思わず膝から崩れ落ち自分の息子がこれからどういう目で見られるのか、また母親自身も血縁上息子との関係を切ることが出来ず評判が悪くなるのを恐れ、つい知人に助けを求めてしまったのがきっかけである。
知人とは母親が大学生の頃に栄養士の資格を取るため専門知識を身に付けるべく研修に積極的に参加したり図書館へ通って発育方法や臓器の仕組みなども調べているうちに同学年の男性に声を掛けられたのが始まりで、お互いの趣旨に惹かれて話はどんどん進展していき2人から3人、数日経つと10人以上友達が出来て知識の共有や思い出作りを満喫するまでになった。色んな出来事をSNSにアップロードして友達以外のユーザーの反応も見るのが楽しみになり、つい1日に最低でも1件は必ず投稿するようになった。月日が経ち大学を卒業すると、最初に交際していた男性とは別の人と結婚し出産予定が決まり、子供を授かることを友達に伝え、お祝い金として集められた。それから子育てに時間を追われるようになり、自分のことは全てできるように家事をしながら夜遅く帰ってくる夫にも気を遣い、睡眠時間を削ってでも大学で学んだ知識を基に献立を考える毎日を送っていた。息子が大きくなるまでの辛抱で、数年間ほとんどの人が公私共に着手する量の多さに体調を崩すほどの厳しい環境下でも耐え続けるくらい器が大きく情熱的で、人一倍責任感と正義感も強かった。それ程までに愛情を注いで育て上げた息子に反抗期を境に裏切られ、声をかけない限り動こうとしない怠けた態度を正そうと説教すると、自分なりのルールがあるんだと拒絶して度々口論になっていた。もしかしたら夫も昔は同じような性格だったのかと疑い始め、これまで見てきた人間の屑とも言える考え方や行動を参考に、洗い出すようにした。思いついたことは、淹れたての熱いお茶を夫と息子に飲ませるというもので出されたお茶は家庭に愛情深ければ思いやりを持って冷まさず早めに口を付けて飲みきるのが常識で夫がそれをやるかどうかと、息子はどうせ声をかけない限り飲まないので夫がそれを許さなくて息子を叱るかどうかを観察するため、これから一切口に出さずに家事を忙しそうに行うふりをした。息子は大笑いしながら大好きなアニメを観ていて、他のことに神経を使いたくないとお茶をすするそぶりを見せず夫がそれを叱ると、また口論になったので仕方なく息子の分まで飲むことにした。母親は夫への疑念は解消され、そっと胸を撫で下ろしたが両親とも仲が悪い息子のことでどういう教育を受けさせれば良いのか悩んだ挙句、先が思いやられるという気持ちを込めて冗談半分で一人暮らしを勧めると、なんと息子は躊躇なく快諾した。まだ中学生にも関わらず親元を離れ独立するような異例の決断をした性根の腐った人間がまさに地域を脅かす存在になるとは知る由もなかった。当然、両親は猛反対したが何を言っても聞く耳を持たないので1人で何でもできるようになるのはどれだけ大変な事なのか分からせるため、荷物をまとめて家を出るように唆した。息子は嬉しそうな顔で親元を離れると自ら不動産屋へ行き、小太りで中学生とは思えない老け顔だったため、疑われることなく捏造した書類で物件の契約が出来てしまいアパートに移り住んだ。一方、両親は息子がまだ学生で働くことが出来ないのに誰のおかげで生計が上手くいっているのか考え直してすぐ戻ってくるだろうと思っていたが、いつまで経っても帰って来ないので心配になり近くの不動産屋を訪れ聞き込みすると、すぐに居場所を特定した。両親が息子の住むアパートに忍び寄り鍵が掛かっていないことを確認すると、準備したように動揺を隠しながら表だけ形作った荘厳な表情を保ったまま扉を開けて事情を吐かせようとすると息子は普段見ることはない怖い顔に驚き、思わず浴室へ逃げていったが怠け癖の性格が災いし運動音痴で手前の段差に躓き、反射神経が追いつかずに運悪く浴槽の縁に頭を強打し動かなくなった。両親は、おかしさに笑いをこらえつつも息子の身体をさすったが反応がなかった。もしかしたら気を失ったふりをしてその場をやり過ごそうと考えているに違いないと思い、一旦アパートの入り口付近で待機して物音がするのを観察したが動く気配がないため救急車を呼び病院へ搬送されると、脳震盪だと診断されしばらく入院することになり、定期的に容態を見に行かなければならなくなった。
アパートの中は家具が無く自分で購入して揃えなければならないので、小遣い程度しかお金を持たない息子は世間をなめているようなもので、書類を捏造して一人暮らしをしようとしているので大家さんに騙されていることを伝えると契約は取り消しとなり、退院した頃には既に住めなくなっているだろう。その間に学校を数週間も休んで学力に遅れが生じ、自己中心で友達を作ることができていなかったので、入院した理由を知って呆れる人や笑いのネタにする人も現れた。この時、息子の脳内で自分が愚かなことをして非難されたり親や先生に叱られても何食わぬ顔で吞み込んで反芻するの繰り返しで反省の色が全くない状態で、まるで人生を弄ぶようにこの世を楽しんでいるようだった。目が覚めたら地獄の日々が始まるとは知らず、デイジーの家に侵入しようとしたところで過去の出来事を思い出させて現実と空想の世界が両方存在するように読者も弄ぶように細工をしています。すでに現在は先述の通り自殺しているが、それは自ら不幸にした結果であり、それでも他人を羨んで引きずり込もうとしているのは単なる善意を正すためなのだろう。このご時世だから、どんなことをして他人からの評価を受けることに焦点を当てるよりも自己中心であったほうが周囲を気にする必要はなく例えば、みんなが乗る船を1人で陣取って目的地に誘導するか座礁させるのかは自由であるという考え方を持っているので所詮、共に学んだ同級生や親ですら捨て駒扱いになるだろう。数日後、容体を見に再び病院へ行くと心拍数が上がっていて、もうすぐ昏睡状態から回復するとのことで安心していいのか情を捨てて見過ごしていいのか分からなくなっていたが、そんな半分汚れた心では息子をここまで育て上げた労力が無駄になると思い、冷静さを取り戻した。母親は看護師の手をしっかり握って、助けてもらった敬意が伝わるようになるべく多くの言葉でやり取りして病院を後にした。それから数日が経った頃、学校では大きなイベントがあり、戦時中の情景を物語った劇からアクロバティックな体技で観客が魅了するような立ち回りまで様々な催し物や出店が並んでいて凄く賑やかになっていた。息子が通っている中学校は大学と隣接していて年に1回、休日を利用して地域との親睦を深めようということで、交通規制が行われるほど混雑していた。この催し物は大学生が企画したもので中学校でも敷地を貸し切って同級生も何人か参加して嫌な出来事を忘れられるくらい充実した1日を過ごした。イベントが終わり、これ以上動けないくらいに疲れ果てた同級生は翌日、親に頭痛がするという理由を伝えて学校を休んだ。同級生の親もSNSに毎日の出来事を頻繁に投稿する癖があり、この日は息子がだらしないという内容が分かる文章を打っていた。ただ、いずれはクッパになる息子とは違い成績優秀で学校では馬鹿にするけど家では素行がバレないように大人しく装っている悪賢い性質だった。勉強ばかりで頭を使いすぎていたので息抜きに丁度良いと思い、もうすぐ退院するあの同級生をどうやって貶めるかワクワクしながら考えて、気が済むと小学生の頃にやり残していたテレビゲームの続きを親に内緒で数時間没頭した。うっかり明日に向けての勉強が疎かになったが目が疲れたため早めに寝ることにした。すると夢の中で何故かいたずらを計画していた入院中の息子の姿が映り、どんな表情なのか遠くからで分からなかったが、まるで計画していたのを見透かしていたように物怖じする様子もなく、こちらが目をそらすまで見つめていた。もう1度目を合わそうとした瞬間どこかの外の風景に変わり遠くから先頭にはかなりの大きさと、それに続く仲間らしき亀の行列がこちらに向かって来るのが見え、それに準ずるように亀の行列に向けてこちらも歩み始めた。ここからは未来のクッパについての物語を展開させていこうと思います。
仲間を引き連れているクッパだが、のちに用水路へ戻らせて身勝手な振る舞いでデイジーの家に向かおうか否かの重要な決断の分岐点にもうすぐ差し掛かっているといういたずらを仕掛けようとしている息子の目の前の光景を映し出したものだった。実はクッパから見える家というのは自分が歩んできた生前の記憶への入り口として目指しているという伏線での捉え方もできる。やり残したことはたくさんあったそうで、特に会社の上司から同僚と同じ時間働いても今日中にできないと誰かに手伝われて半分の実績しか出せないうえに来客や電話応対の時の態度や言動が悪くて苦情があったり、新入社員からも引き離されるという己の能力の低さを指摘され誰でもできそうな仕事しか与えてもらえなかった。このままだと生活するには苦しく、賃金を賄うには人並みに仕事ができる必要があったので他人を陥れてでも有能であるという表だけの評価を維持させる約束を自分で勝手に守った。それから考え出したのは同僚に自分の仕事まで手を着けて片付けてもらった恩ではなく仕返しとして、席を外しているのを見計らい隣を通ってわざと転んで、持っていたマグカップに入っているコーヒーを机の上にこぼして書類を使えなくしたが運悪く同僚が保管するものではなく、他の重役へ向けて発信しようとする機密文書だった。そうとは知らず悠々と自分の席へ戻って仕事を続けていると、違う部署の係長が異変に気付いて慌ててこぼれたコーヒーを拭き取り、席を外している同僚を呼びに行った。そこで、バレてはいけないと思ってトイレに十数分籠って最悪の事態を想定しながら言い訳が通用しない覚悟で、その場をやり過ごした。書類は手遅れで全部茶色に染まっていて誰がやったんだと社内がざわつき、やがて1人だけを不審に思われる。一方、トイレではこれから災難が降りかからないように手を合わせて神に祈っているところだった。こういう光景を想像すると笑ってしまいますよね。意を決してトイレから戻ると殺伐とした雰囲気が漂っていて、足元がガクガク震えながら第一声は何と発したら良いか分からなくなった。案の定、事情を聞かれてしまったが、その時無意識に身体が動き出してメモ帳を取り出し、何やら殴り書きを始めた。呆れて口を挟もうかと思ったが、真剣な表情をしていたため書き終えるのを待つことにした。あまり時間をかけず書き終えて誰か1人に見せると、何て書いてあるのか分からなかったが2行にわたって大きな字で自分が担当している職種についての敬意を示していた。俺が辞めることになると、余計な仕事にも手を着けることになるので効率が悪くなるといったところで、読めなかった他の文章にはこれから起こす新たな予見を掻き立てる内容だった。無言を貫き通そうとしたが、そう甘くはなく何か言いたそうな口を周囲が脅すかの如く見せてくるので仕方なく演技で土下座をやってみせた。
すると、お前のやったことは然るべき措置を取らせてもらうと罵声を浴びせられたが幸い退職までには至らず、代わりにこれまでに起こした悪事の数々を償いでもらおうと酷い扱いを受けることになる。残念、現実逃避したくても今語っている所で言うと、ここが現実の世界だから空想の世界に戻るには生前の記憶を悔いの無いように反省する必要があった。でないと、いつまで経ってもデイジーに仕返しすることができないし、読者は続きを期待している訳だから俺自身も愚かな中年太りの男の動向をうまく軌道修正しなくてはいけないのです。
その後、重要な書類を汚して使えなくした件については自分が責任を持って上司の言う通りに与えられた仕事をこなして何とか他社への交渉の妨げとなる問題を解消することができた。だが素直に言うことを聞いたのは自分の目的の為であり、前述の新たなる予見とはターゲットの女性社員に個室で1対1で面談したいと言って、当然席を離れている2人はいないので上司が異変に気付く前に女性社員に、ある代行を任せようというものだった。女性社員をうまく口説けるか不安であったが、一生懸命働いた事だし3日間有給休暇を申請すると同時に上司がまだ過酷な仕事を押し付けようとするので、女性社員が過酷な仕事内容を帳消しにして、自分は悠々と快適な仕事環境を満喫したいというものであった。まず女性社員に重大な事情が発生したので休ませてほしいという事を上司に伝えて、万が一詳しい理由を聞かれたときは身内の不幸で、個人情報なので詳しくは言えないというもので、もちろんこれは嘘であった。女性社員が代行で上司に事情を告げると首を傾げたが、仕方ないという様子で本人への呼び出しを受けることもなく何とか成功した。それから大いに喜んだ後、休んでいる間に疲れ過ぎて立てなくなるくらい遊んでやろうと決心していた。女性社員を誘ったからには何か良からぬことをやるつもりだと思ったかもしれないが、個室で痴漢行為を働いては会社の面汚しになるだけだから責任を逃れて過去の出来事で中学生の頃に居た同級生の成績優秀な息子のように疲れ果てて眠ってもらい、また夢の世界へと引き戻して振り返らないように社会人の頃の記憶を忘れ去って、クッパという生き物へと継承するために次なるステージへと進み始めようとしていた。初日はさっそく海に向かい、まずは防波堤に居る釣り人に当たるか当たらないくらいの距離からひたすら石を投げて嫌がらせをすることした。釣り人は1人で、魚を逃がさないように集中している所へ水面に数回石が落ちてきたので、どこから投げ入れられているのか探り始めた。慌ててどこかへ走って逃げたが、釣り人に背を向けていたため見られているか後ろを確認することができず、動く物にすぐに目が留まるかのようにすぐ特定されてしまい遠くから怒号が聞こえたので仕方なく振り向くと、不機嫌そうに目を逸らさずにじっと睨みつけていた。バレないように嫌がらせをするつもりが、見つかったことで自分だけに留める予定の悪意が漏れたため、他人から見て善人でありたいと願い始めたことが早くも裏目に出てしまった。今度は善意を正そうと上下の服や下着も脱いで自ら海に飛び込み、怒っている釣り人の竿先にある浮きに向かって泳ぎ出した。釣り人はおかしな挙動を見て何で不機嫌になっていたのか分からないくらい呆然としていた。浮きに辿り着くと、それを手で掴んで釣り人を海に引き込もうとする動作を一瞬だけ行い、今度は手を放して底へ潜ると、投げ入れていたものよりも大きな石を持ち上げて、握ったまま決して放さずに溺れたふりをして助けを求めた。釣り人は思わず早く石を放せと言ってしまい海へ引き込まれそうになったのに同情したことで、頭のおかしな人に騙されたと嘆いた。石を放すと何事もなかったかのように服を脱いでいた場所へまた泳いで戻って行った。すると、全身裸の姿を近くの若い女性たちに見られたが恥ずかしがることなく平然と公衆トイレの大便器の個室に入って行った。トイレットペーパーを1本分使い切るくらいに濡れた全身を拭いた後、流そうとしたら詰まってしまい、さらにレバーを捻ると便器から水が大量に溢れ出てきたので慌てて公衆トイレから逃げ出した。トイレには防犯カメラが無いので誰の仕業か分からないだろうと安心しきった様子で服を着て他の場所へ向かった。
髪の毛や身体の一部が完全に拭き切れていなくて移動しているうちにくしゃみが出てきたので、とりあえず近所の家の呼び鈴を鳴らしてドライヤーを貸してくれないかと頼んだが当然、不審者だと思われて中へ入れてくれなかった。そこで、思いっきり息を吸って住人の顔に向かって大きな声でくしゃみをして驚かした。すると、何事かと他の住人も押しかけて中へ入れないように抵抗しながら警察を呼ぼうとしていた。それを見て仕方なく引き下がって自然乾燥に任せたが、今度は鼻水が出始めて目も痒くなってしんどくなった。

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